今回は、前回ご紹介した資料館の外部巾木と犬走りの那智黒石の洗い出しの施工風景です。
使用した那智黒石はニ分です。
一分が大体3.3ミリなので、7ミリ弱の玉石です。
当初五分だったのですが、立ち上がりの巾木と土間の石の大きさを揃えたいと設計の先生がおっしゃいました。
しかし五分は大きすぎて塗り付けができないので、なんとか無理してニ分の玉石ならといってニ分にしてもらいました。
ただニ分の玉石が思いのほか大きくて塗るのが大変でした。
作業の流れ
まず最初に仕上がり面から玉石の塗りしろを控えたところまでモルタルで下地をします。
下地を十分乾燥させてから玉石の施工です。
周りの仕上がっている部分をしっかりと養生し、建具や地先などを汚さないよう注意します。
モルタルで下地をした巾木にプライマーを塗布し、プライマーが乾燥したら、セメントノロを硬めに練って、巾木に厚めに塗っていきます。
あまり薄いと、玉石が食らいつかず、落ちてしまうからです。
ノロの硬まり具合をみて、事前に練っておいた玉石を手際よく塗っていくのですが、かなり塗りにくかったです。
石が固い方が塗りやすいのですがなんとか頑張りました。
あとは、石の表面をそろえるようにコテでなでていきます。
セメント部分からかたまりきらないうちに、噴霧器でセメントを洗い流していきます。
刷毛である程度、セメントノロを落としていき、噴霧器で洗い流していきますが、柔らかすぎると玉石が取れたり、水が石の裏にまわったりするとはがれ落ちてしまい大変です。
職人の技量がいります。
綺麗に洗い流したあとは乾ききらないうちに、洗い出し専用のクリヤーを塗布して、立ち上がりは終了です。
土間も同様にモルタルで下地をして乾燥させてから施工。
土間の場合はセメントノロを噴霧器で洗うやり方と、スポンジで拭きとるやり方があります。
今回はスポンジで拭き取る方で施工しました。
なかなか根気が要ります。
スポンジに、セメントノロがつかなくなるまで何回も拭き取ります。
タイミングが悪いと玉石が剥がれてきます。
綺麗に拭き取ったら、ノロが乾かないうちに、洗い出しクリヤーを二回塗って作業終了です。
無事綺麗に仕上がったので良かったです。